高速通信回線導入に関する一考察

パソコン

 

町内全域にBフレッツ導入を実現するために、必要な650名以上の契約の可否について検討を実施した。
1.まえがき
町の企画振興課から、町公式ホームページ掲示板において次の趣旨の発表があった。
(2004年08月04日・企画振興課)
(著作権法第13条第2項および第4項関連として鹿部町公式ホームページ掲示板から引用)
・鹿部町のブロードバンド導入に関して、NTTと継続的に協議してきた。
・このほどNTTから正式な回答があった。ADSLの提供は可能だが条件がある。
・鹿部地区(概ね役場から4Km圏内)において200名以上の利用者が見込まれること。
 サービスの提供時期については、その見込み状況次第となる。
・本別(大和リゾート)地区については、ADSLでは技術的に対応できない。
 「光」等での対応を検討したが当該地区だけで400名以上の加入者が必要になる。
・鹿部町全域にBフレッツを提供するためには、650名以上の加入者が必要条件である。
・町としては、出来ることなら町内全域に同じサービスを提供したいと考えている。

引用部分以上
2.前提条件(次の数値を参考に試算実施)
・全国一般世帯数(平成12年国勢調査・総務省) 46,782,383世帯
・全人口推計値(平成15年末・国立社会保障・人口問題研究所) 127,520,000人
・パソコンからのインターネット利用者(平成16年版情報通信白書・総務省)  61,640,000人
・電話回線利用ダイヤルアップ型接続サービスの加入者数(平成16年6月末現在速報値・  
 総務省) 18,780,000件
・DSLサービスの加入者数(平成16年6月末現在速報値・総務省) 12,068,718件
・FTTHサービスの加入者数(平成16年6月末現在速報値・総務省) 1,417,483件
・CATV網を利用した接続サービスの加入者数(平成16年6月末現在速報値・総務省)  2,702,000件
・鹿部町における世帯数(平成16年5月末現在・広報しかべ7月号) 1,739世帯
・鹿部町における人口 (平成16年5月末現在・広報しかべ7月号) 4,881人

3.鹿部町全域にBフレッツを導入するため650名以上の加入者が得られるかの検証
全国におけるダイヤルアップ型接続サービスの加入者数(サービスプロバイダとの契約数)とCATV網を利用した接続サービスの加入者数(1世帯1加入と仮定した)を合わせると全国世帯数の約45.9%がインターネットに接続しており、DSL(ADSL)およびFTTH(光・Bフレッツ)ならびにCATV網等の高速回線(ブロードバンド)の利用者は34.6%である。また、パソコンからのインターネット利用者の全人口割合は、48.3%でありほぼ同様の傾向を示している。

鹿部町におけるパソコンによるインターネット利用者を、総務省発表による速報値や平成16年版情報通信白書をもとに全国の傾向を引用し大胆に推測すると、全世帯のうち約700~800世帯前後がパソコンを利用してインターネットに接続しており、そのうち高速回線(ブロードバンド)を利用するであろう数は、最大で約600世帯前後と思われる。
よって650名以上加入の目標(最低加入必要契約件数)を達成するためには、行政・町民一体となりあらためての認識と相当の努力が必要と思量される。

(なお、本予測は本サイト管理者の独断と経験から算出したものであることを明記する。正しい結果は、近く町によって実施予定の「ブロードバンドに対する意向調査」で判明するものと思われる。)

4.目標達成のための提言
・インターネット利用者の底辺拡大のためのモチベーションの向上と継続。(動機づけ)
・インターネット(パソコン)活用のため相談窓口(インターネットアドバイザ)の設 
 置。(ボランティア体制の整備と活用)
・近未来におけるユビキタスネットワーク社会への期待と対応。
・低廉なランニングコスト方式導入の検討・協議。(契約継続のためにも)
 『目的に相応した速度』や『セキュリティを考慮した』回線の共用方式等、モデル事業 
 の導入検討等。(IT立国を志向し、IT僻地改善のために)
・インターネット、特に高速回線活用機会の周知徹底および拡大。
 (メール交換が主目的なのでナローバンドで十分という人々に)
  例として。(魅力あるコンテンツの提供・紹介)
   住民票・印鑑証明その他の電子申請および発行等の行政サービスの充実。
   広報誌の電子閲覧・電子配布によるサービスの向上および経費削減。→果実。
   町の公式ホームページの更なる充実と活用。
   IP(Internet Protocol)電話導入等による付加価値の活用。

5.あとがき
本件の企画振興課の計画とともに、別途商工会によって、町民の選択肢拡大に繋がること。また、速やかに高速回線を導入すること等を目的として無線方式による高速回線導入計画が進行している。

企画振興課および商工会の担当者の精力的な活動に対して敬意を表するものであるが、携帯インターネット利用によるモバイル化の進展や、先に述べたように、町全体としての想定契約数(接続資源)や最低加入者数の導入条件等を勘案すると、残念ながら現時点において複数方式が両立することは極めて困難であると思われる。

高速回線接続の機会を町民すべてに等しく提供し、またそのメリットを等しく享受するという前提に立ち、それぞれの担当者と利用者を交え、わが町にとって最も望ましい方式(グランドデザイン・全体構想)について協議を進めて欲しいと切に希望する次第である。導入目的は達成したが、契約拘束期間終了後解約が相次ぐ等の悲喜劇を避けるためにも・・・。

(2004.08.07)
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全国均衡のあるブロードバンド基盤の整備に関する研究会(総務省)は、中間報告として、『ブロードバンド・ゼロ地域脱出計画(案)』を発表。
副題を『光ブロードバンド・コミュニティへ向けた地方公共団体のための指針案』とあるとおり、ブロードバンドの急速な普及→デジタル・ディバイドの拡大(域内デジタル・ディバイドに注目)→地方公共団体が一定の役割を果たすことに対する期待の増大と分析している。

ブロードバンド・サービスが、必ずしもユニバーサル・サービスと位置付けられていない現時点では(本来は)民間主導で行うべきであるが デジタル・ディバイドの解消が喫緊の課題となってきているため民間主導原則に立ちつつ、国・地方公共団体・事業者の連携による取組みが行われることが極めて重要である。(中間報告より)

また、同日『ユビキタスネット社会の実現に向けた政策懇談会』最終報告書も発表され、その中の『u-Japan政策パッケージ工程表』において2010年までに、光ブロードバンド網の整備等によって国民の100%が高速または超高速を利用可能な社会にするとしている。

現状は、最終目標のFTTHではなく、ユーザーに新規敷設の手間がかからないことや、新規事業者にとって低コストの設備投資でサービス提供ができること等から、都市圏や、域内においてもその中心部を対象に非対称デジタル加入者線(xDSL)が導入される事例が多く、無計画とさえ思わせる物理的事由(一部区間、光ケーブル敷設等)や経済的事由から導入非対象となっているそれ以外の地域との情報格差(デジタル・ディバイド)の拡大が認識されつつあった。(民営化に伴う企業間の競争原理等やむをえない事由もあり、これが民営化だ。ともいえるが・・・)
e-Japan2002プログラムにおけるインターネットを通じて受ける行政サービスの恩恵は、中心部から離れるほど、その必要性が高まると思われるのに、である。今回の発表を見て、胸のつかえが取れる思いをしている。

(2004.12.17)
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町民の約1割が居住する当地域を受け持つ交換機と、上位局との間が(光)ファイバーケーブルで接続されており、その特性上xDSLサービス提供外地域となっている。(その他の地域は、2005年10月にADSLが導入された)
そのため、無線方式(Fixed Wireless Access)導入が検討されているが、高木に囲まれた林間住宅地であることと、春先に頻繁に発生する霧の影響(2.4GHz帯)等で支障なく導入・運用されるのか懸念を感じている。

広帯域回線(超高速回線というべきか)導入は、ユニバーサルサービスと位置づけられていない現時点においては、民間サービス提供者と利用者との民・民の問題で官(行政)が関与できないとの声もあるが、総務省のu-Japan政策パッケージ工程表やブロードバンドゼロ地域脱出計画(光ブロードバンド・コミュニティへ向けた地方公共団体のための指針案)等により、もはや実質的なインフラストラクチュアであり、国民すべてに高速または超高速回線利用可能な社会にするとした2010年を迎えたとき、〔IT貧民〕に対する免罪符にはならないと思っているのだが、果たして・・・。

(2006.03.12)
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現在、全国に306万世帯あるブロードバンド未整備地域を2008年度末に100万世帯、2010年度にはゼロ世帯にするという『官民連携によるブロードバンドの全国整備』と副題のついた『次世代ブロードバンド戦略2010(案)』が総務省から発表された。(2006.06.27)

この戦略の中で、2010年度に向けたブロードバンド・ゼロ地域解消等の整備目標、ロードマップ作成等、整備の基本的な考え方、事業者・地方公共団体(都道府県と市町村)・国の、それぞれ官民の役割分担、関係者による推進体制のあり方を明確にしている。

また、総務省では、本戦略を踏まえ、ブロードバンドの全国整備を積極的に推進していくとも明記されており、〔ゼロ世帯〕の重みを考えたとき、関係者に残された時間は多くはないと思われる。

さらに注目すべきは、超高速ブロードバンドの世帯カバー率を90%以上にするということである。FTTH(光ファイバー)の他、ケーブルインターネットの超高速化や広帯域無線アクセスシステム等により整備が図られると考えられるが、光ファイバーが高速大容量性や安定性といった機能面において優れた特性を有しているとともに、多様なブロードバンドのバックボーンとしても必須のものであるとしている。
(平成18年6月 総務省 次世代ブロードバンド戦略2010(案)による)

〔田舎暮らし的生活〕は、ブロードバンドもまだなのに、世の中の関心はすでに次世代ブロードバンド。
ボランティアによるアドバイザ制度を導入し、インターネット活用の動機付けを、そして住民と行政が一体となってグランドデザインを構築。関係者のコンセンサスを得たうえで、FTTH導入を目指していくべきではないか、と・・・。
2年前に予想したとおりになっていくのは、なぜか悲しい・・・・。

(2006.06.30)
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〔鹿部町に光を!〕と、Bフレッツ導入仮申込み受付が始まった。町内全域が対象で、350件の申込みが条件との事である。かねてより、NTTにBフレッツ導入意向表明をしていた私は、早速、申し込んだ。
総世帯数1,822世帯(2007年1月末現在)の鹿部町において、町内の200件強のADSL利用者の動向が大きく影響するのではないか、ADSLから光(FTTH)に変更するためのモチベーション(動機づけ)がキーポイントになるのではないかと思われる。
暫定ブロードバンドである(と私は捉えている)ADSL導入が、光(FTTH)導入の(サービス提供・利用者双方にとって)足かせにならなければ良いが、との懸念が顕在化しなければ幸いである。
高速回線接続の機会を町民すべてに等しく提供し、またそのメリットを等しく享受することを実現させるため、活動の成功を祈るばかりである。
(2007.04.04)
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総務省が策定した〔次世代ブロードバンド戦略2010〕を踏まえ、〔2010年度までのブロードバンド全国整備に向けた都道府県別ロードマップ〕等が、財団法人・全国地域情報化推進協会から公表された。
同協会から平成19年4月13日に示された報道資料によると、2010年度までにブロードバンド・ゼロ地域を解消する目標の実現に資するため、2010年度までのブロードバンド整備方針について、都道府県単位に都道府県・事業者・総務省総合通信局等の関係者の協働により、年度ごとに具体的な取組をフローチャートにまとめ、年度ごとの目標数値を工程表に掲げたものとなっている。
北海道においては、ブロードバンド未整備地域(世帯数)が、2007年度末において176,000世帯、2008年度末で106.000世帯、2009年度末で46,000世帯、2010年度末にブロードバンド・ゼロ地域解消目標となっている。
 また、同時に地方公共団体が誘致を行う委員会等を設置するための要綱の例・地方公共団体が民間誘致団体に協力し、誘致を行う際の意見募集の例・住民配布用チラシおよび仮申込書の例等を含めたブロードバンド整備マニュアルや、ブロードバンド整備・利活用事例集等もあわせて公表された。
(2007.04.13)
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NTT東日本の〔350名以上の仮申込みを条件に、Bフレッツサービス提供が可能である〕との提示を受け、4月から始まったBフレッツ誘致活動。
6月18日に、368名(17日現在)の仮申込みを添えて、NTT東日本函館支店にBフレッツサービスの早期供用開始要望書と仮申込書を提出したとの報告があった。
誘致の会ウェブサイトによると、提供時期について、NTTが早期提供に向け調整中で、現在のところ未定となっており、仮申込者数は、383名となっている。
(2007.07.09)
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鹿部町全域を対象にBフレッツ導入が正式に決定し、11月15日から〔Bフレッツ特別相談会〕が開催されるとともに申し込み受付が始まり、早速、E-Mailで申込みを行った。
また、我が家にも(ひかり導入はビジネスチャンスと見えて)複数のアプローチがあり、この先どのように推移していくのかとまどっていたところ、ややあって、(ネット接続台数が一般家庭にしては多いこともあってか)NTT担当者の訪問があり、納得のいく詳細説明を受けて疑問も解消。工事日も2008年2月18日に決定した。
(2007.12.10)
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2008年2月18日,、ついに我が家にもBフレッツが導入され、それまでのISDN回線に比し回線速度はもとより、インターネット接続を要する各種作業効率が大幅に改善された。
チューニング前、回線速度測定をしたところ、19.4Mbps(下り)と、ISDN回線時に比べ350倍の速度になっており、昨日までのアレは、なんだったんだぁ!と感じている。
町中心部にADSLが導入された時、当地域がブロードバンド対応になるのは、早くても2010年度になるのではないかと思っていた(あきらめていた)が、関係各位の努力もあり思いのほか早期に導入されたと感謝している。
(2008.02.18)
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