ある夫婦の散歩中の会話

できごと

(夫)
今日で退職して丸3年だね。

(妻)
そうねぇ。会社を辞めたいと聞いたとき『いいよ』とは言ったけど、正直に言うと本当に辞めるとは思わなかったのよ、誰か止めてくれるんじゃないか、気が変わるんじゃないかって思っていた。

(夫)
いつもこの時期になると思うことがあるんだよね。
もし退職しないで、あのまま仕事を続けていたらどうだったかなぁって。
まあ、そう思うのも退職して今現在があるからだけど。あの時、もし辞めずにいたら、今ごろきっと定年退職するまで、あの時辞めていたら・・・と思っていただろうね。
あの時は、将来もし後悔することがあっったとしても行動しないで後悔するのはいやだと思ったんだよ。
それに、それを後押しするような、たぶん一生忘れられないであろう出来事もあったしね。

(妻)
そうねぇ。そう言った意味ではこれでよかったのかもしれないわねぇ。
すくなくとも私はよかったと思っているわ・・・。経済的には大変だけど(これは、陰の声)。
子供たちとの関係もほどよい関係だし、あのままだったらきっと親離れ子離れできずにいたわね。

(夫)
(心の中で)今でも親離れ子離れできてないと思うけどなぁ。なんと言っても一卵性親子(母子)だからなぁ。

(妻)
私は、退職したばかりのころのほうが大変だったわ。生活が突然大きく変わったんだもの。仕事人間だった人がずっと家にいるわけだし、毎日お昼も用意しなきゃいけないし・・・(オイオイ)。
特に千葉にいるころは、平日外に出られないとか言って・・・。
今のほうがよほどいいわよ。なんとなく、二人の住み分けもできたし。

(夫)
当初は途惑ったよね。結婚するときは『ずっと一緒に暮らしたい』と思ったはずなのに・・・。でも、今はお互いこの生活に慣れたよね。
そう言えば、田舎暮らし情報誌の編集者が、そこ(夫婦のすみわけ)が老後の課題だと言っていたね。

もちろん後悔はしていないけど。退職したらいろんな柵から解放されて、毎日好きなことだけやっていられると思ってたんだけど、不思議なことに公私共に新たな柵がでてくるんだよねぇ。(苦笑)

贅沢を言えば、ここが別荘だったらさらによかったかなぁ・・・なんてね。でも千葉の家で暮らして別荘としてここに遊びに来るのは遠いしね。
いくらあこがれの北海道とは言っても、日常があるから非日常的なことがよく見えるということも言えるわけだし。隣の芝生は青いかぁ、そう言えば『美女は3日であきる』と言っていた人がいたなぁ。関係ないか、ゴメン!。

仕事や会社のことにしても、もうお呼びじゃないはずだし、少なくともあちら側にしたら過去の人であるのはわかっているんだけど。この季節がくるといろいろ余計なことを考えてしまうんだよね。

あの時一緒に仕事をした同僚は頑張っているか、あの時もう少し違う対応をしたらよかったとか・・・。こう言ってあげたらよかった。とかネ。それはそれで真剣に考えた結果だけどね。これでいいってのは、なかなか・・・。
また、切りのいいところ、切りを付けたところで辞めたつもりだけど、仕事はその後どうなったんだろうとか・・・余計なお世話だよね。(苦笑)
環境が変わっても、性格は直らないってことか。

(妻)
そう言えばいまだに雪が降ったとか地震があったと聞くたびに気にしているわよねぇ・・・。最近は、電力不足は、大丈夫かとか・・・ネっ!。
その時々最善を尽くしたんでしょう?。いつも何事にも、夜も寝られないほど一生懸命悩んで考えていたじゃないの。
きっとあなたがそんなふうにいまだに思っているとは、誰も思ってないことは確かよ。

(夫)
それはそうだけどね。

(妻)
それにあなたの元同僚たちを信頼してるんでしょう?。心配ないわよ。
あなたにとっては、3年前のままだけど、あちらは日々動いているわけでしょう。
(心の中で)もうあなたのことは、遠い過去のことで忘れられているわよ。

(夫)
そうだよね、それこそ老婆心なわけで余計なお世話だよねぇ。
そう言えば、「三日三月三年」の3年かぁ。

まっ、いっかぁ。(爆笑)←努めてこのように思うようにしている。長生きの秘訣だとか。
早く帰って美味いコーヒーでも入れるか。ハイ!。

 

コメント

タイトルとURLをコピーしました